となりの色気がうっとうしい

双葉 side


「ちょ……西木さんっ」


限界の西木さんを身体半分で支えながら、なんとか扉を開けて中に入る。


そのまま寝かすっつったって、勝手に家に上がるのはさすがの俺でもためらう。


でも……苦しそうに目をつぶる彼女を無理やり起こすこともできない。


だからって、このままここでジッとしてるわけには……とぐるぐる考えていると。


「……え、誰」


一番近くの部屋のドアがガチャリと開いた。


中から出てきた女の子は、ものすごく不審そうにこちらを見ている。


何度かマンションのエントランスや廊下で顔を見たことがある。西木さんの妹。


じぃーっと眉間に皺を寄せてこちらを見ている表情は、西木さんにそっくり。

姉妹そろって、なんて反応だ。
女の子はもっとこう、俺を見たら目をハートに───。


「警察」


「えっ!?ちょ、ちょっと待って」


手に持っていたスマホをおもむろに触りはじめる西木妹に慌てて声を張る。


「怪しいものじゃないから!西木さんのクラスメイトで、隣の天海です。きみのお姉さん、熱出ちゃって。すぐ寝かせたほうがいいと思うから、部屋入ってもいいかな。それとも、キミが部屋まで連れて行ける?」


「……えっ、嘘……お姉ちゃん」


事情を軽く説明すると、西木妹が心配そうに西木さんに駆け寄る。


「部屋まで……お願いします」


西木妹は、渋々そういうと、部屋まで案内してくれた。

< 20 / 20 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

冷たい夜に、愛が降る
凩ちの/著

総文字数/19,049

恋愛(純愛)31ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「……帰りたくないなら、うちに来な」 そう言って、私の手を優しく握ったのは。 毎日のように、都会の巨大スクリーンに映し出される──ひんやり王子だった。 *・゜゜・*:.。..。.:*・゜・*:.。. .。.:*・゜゜・ 孤独な少女 香山 恋白(カヤマ コハク) × 大人気俳優 御田 菫(ミタ スミレ) **・゜゜・*:.。..。.:*:.。. .。.:*・*・゜゜・*:.。.. 「好きなように過ごして」 家にも外にも、居場所なんてどこにもないはずだった私に、突然できた、 新しい、帰る場所。 誰かを信じるのは、もうやめるはずだったのに。 「思いっきり泣きな」 そのまま引き寄せられた腕の中があまりにも暖かくて。 「俺が恋白といたいだけ」 「……してもいいなら、目つぶって」 この温もりを知ってしまったら、もう……。 「全部忘れるぐらい、俺が恋白を愛すから」
くすんだ青からログアウト
凩ちの/著

総文字数/68,839

青春・友情6ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「ねぇ、サラ。私、もうサラだけが友達でいい」 《ありがとう。私も色羽だけが大好き。色羽は何も悪くないよ。私はずっと色羽の味方だから。自分の気持ちを一番、大事にしてね》 スマホの画面に映る、私の〝親友〟は優しく微笑む。 私のためだけに作られた唯一無二の完璧な友達。 私が欲しい言葉だけをいつもかけてくれる。 顔色をうかがう必要も、本音を飲み込む必要も、裏切られることもない。 外の世界のトモダチなんて、もういらない。
【短編】夏空よりも眩しいきみへ
凩ちの/著

総文字数/7,759

恋愛(学園)17ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
きみのその笑顔は、いつだって キラキラと輝いて、あまりにも眩しいから 思わず目をつぶって、その手を離してしまったんだ 今度は、しっかり掴んで握るから どうか、手を伸ばして

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop