となりの色気がうっとうしい
「一架ちゃん?なーに月雨ちゃんとイチャイチャしてんの?浮気だよ?」
「双葉がマンドリルに夢中だからだろ。アウェイな中に入れたのお前なんだから、責任待てよ」
「まずはイチャついてたこと否定しようか?彼女に言いつけるよ!ったく、行くよ、月雨ちゃん」
「あ、ちょ、天海くん……!」
手!!
いきなり掴まれたかと思えば、指が絡められて。
簡単には振り解けない形になってしまっている。
なんで天海くんと手を繋がなきゃいけないの!?
「あの、別に手を繋ぐ必要はなくないですか?」
スタスタと歩き出す天海くんの背中に声をぶつける。
「えーなに嬉しい〜意識してくれてんの?」
いきなり立ち止まった天海くんが、ひゅっと腕を引いて私との距離を詰めてきた。
最悪。
「許可なく触るなんてセクハラですよ」
「じゃあ、触っていい?」
「ダメです」
「わかったよ……」
天海くんは、パッと手を離した。
もう少し変に渋ってくるかと思ったから、ちょっとだけ拍子抜け。
いや、そもそも勝手に繋いでくるのがおかしいんだけど!
天海くんのペースに飲まれて、感覚おかしくなってきてない?気をしっかり持って西木月雨!
「おーい!こっちにスタンプあったよ〜」
「3人とも早く押して〜」
スタンプ台を見つけた重松さんと小堀さんが、少し離れたところから声をかけてくれて、私たちもふたりの元へと向かう。
『3人とも』
自分が人数に含まれていたことに、ちょっと嬉しさを感じたのは、内緒だ。