となりの色気がうっとうしい
「急に姿なくなるから焦ったけど……コソコソ推し活してたとは」
「す、すみませんっ!」
班行動が絶対なのに、みんなから離れて単独行動をしてしまったことを謝罪する。
普段はそういう人のことを軽べつしてるのに。
気が緩んでる……。
こんなところを、目立つクラスメイトに見られてしまうなんて。絶対バカにされる……。
「なんで謝んの?それより、フウキさんの推しはどの子?当たった?」
重松さんはそう言いながら、私の手の中にあるカプセルを覗き込もうとする。
「えっ……」
「うわっ!れんこんじゃん!いいなぁ!」
この反応……もしかして……。
「えっと、重松さんもけむけむ団好きなんですか?」
「うん!れんこん推し!美夜はごぼうが好きだよ!」
重松さんがそういうと、小堀さんがリュックにつけたごぼうのキーホルダーを見せてきた。
「はっ、ふたりともけむ友なんですね……!あっ、れんこんが推しなら、これ、良かったら、どうぞっ」
「えっ!?」
手に持っていたれんこんのミニマスコットを重松さんに差し出す。
「いや……でもっ!」
「私、しそ推しなんで。れんこんも重松さんにもらわれたほうが嬉しいかと」
そういうと、重松さんの表情がわかりやすく緩む。
「よし、じゃあ私も1回引く!もししそが出たらフウキさんにあげるよ!」
と小堀さんがガチャガチャにコインを投入すると、「いやそれこそうちもっ!」と重松さんが続いてそう言って、リュックから財布を取り出した。