受験日和です。

第三話。道とは!?

しばらく考えていた
夢について

弟について
自分について


私って一体、何なんだろう

何になりたくて

何を目指したくて

今どうしたいの


昨日までは
藤村先輩の家に謎の殴り込み!?
謎の決行!?

謎→X

そんな事を、したら
なおさら嫌われそうだ

『自分を保とう』

思わずノートに書いてしまった


「ママぁ
モテる為には、どうしたら良い?」

「そうねぇ取って置きの呪文は
相手に負担をかけない事 かしら」

ママは魔女だと思った
でも
それしか無いのかも知れない

たった今決めた
私は藤村先輩を、ストカらない
その為になら
勉強だって何だってする

ちょっと目的は変わってしまったけど
これなら勉強に身が入りそう

うーん頑張らなきゃ


結局いち子はいち子らしく、
中学三年生らしく、
勉強を、頑張った


夏休み明け🌞

「先生、私学級委員やりたいんです。」

「ん? 伊原かぁ。伊原が学級委員を、か」

「はいっ! 頑張ります」

「んーまぁやる気が有るのは、いいぞ! あとは学活でな!」


「えっ伊原さん学級委員やるの? よせばいいのに。面倒臭いわよあれ」

「へぇー。伊原学級委員やるんだって」

「日南子、お願い! 私が学級委員に立候補したあかつきには、貴重な一票を、私に」

「いいよー別に」

「やったセンキュー」

こうして
いち子の学級委員大作戦が始まった

「瀬名さん。」

「何? 伊原さん。改まって」

「実は、折り入ってお願いが有るの。瀬名さん一学期、学級委員だったでしょ?」

「まあ、そうだけど」

「お願い、今度の学級委員に立候補しないで!」

!!

「伊原ーずるいぞー」

「いいのっ!」


「私はいいけど別に。但し、ちゃんとやってくれなきゃ困るからね。」

「本当?! ありがとー」

「伊原って買収かよっ」


「皆ー、席に着くように!」

「あっ先生来た!!」

「それでは始めるぞー。まず出席からだな。居ない奴ー。って」

「きちー」

「…うっぷ、オヤジギャグ」

「先生ー。沢渡君が居ないです。」

「んだな」

「すげぇな。問題児は、新学期から居ましぇん」

「からかうなー。沢渡は今日、家の都合で休みだな」

「うーん不良の代名詞、沢渡」

「ではな、まず係を決めないとな。まず学級委員。そんで男子」

「あっ前回同様、小林君がいいと思います」

小林(聡)と黒板に書かれていく

「推薦、小林な。他には?」

「…」

「じゃあ後は、信任だな。小林が良いと思う奴…1、2、3…過半数越えだな。小林、いいか?」

「はい」

「じゃあ次。女子」

「…」

「…はいっ!」

「伊原かあ! なるほど。他には」

「先生、私やります」

「小林かあ」

ヤバい。余り仲良く無い、瀬名さんと私の間の成績の小林京子に立候補された

「先生、私もダブル小林がいいと思います」

ヤバい。小林さんの親友の中川さんまで
うーんピンチ

「じゃあ、伊原と小林、二人で多数決だな。その前に一言づつ何か言うように。」

「先生、私が先でいいですか?」

小林京子が言った

「伊原ーいいかー?」

「お先にどうぞ…」

こういう時に、頭の回転の早さが、物を言うのかも知れない。まあ、仕方ないや

小林京子が立ち上がった

「私は、この3年の二学期という大切な時に、学級委員をやりたいと思っています。皆が思い出に残る、文化祭、体育祭、それにもちろん勉強も。よろしくお願いします」

パチパチパチパチ
クラスで拍手が起こった

私も、そう言えば良かった←?

「じゃあ次は、伊原ー」

「はいっ…ええっと私は、えっと(みんな)の事好きです。だから、皆が幸せになれるようにしたいです。例えば『夢が叶う』とか。それに、勉強も頑張りたい。です。」

ダメかも

「あっ」

何?

「みっちゃんが、泣いてる」

えっ?

「泣ーかした泣ーかした。伊原がみっちゃん泣かした」

「大丈夫? 佐田さん?」

「いいの。私。どうせお母さんになれなくても。でも私、定時制行きたい」

「今はお母さんの話はいいぞー佐田」

「ごめんなさい」

「伊原、謝る所とはちょっと違うな」

「ごめんね。佐田さん」

クラスが、ざわざわしている
どうしようと思った

「例え、どんな事情が有ったとしても、お腹に赤ちゃんが居るなら、産んだ方がいいと思います」

いち子は言い放ってしまった
そして席に着いた

顔が真っ赤になっている。ような気がする

「佐田ー大丈夫かー? 保健室の先生呼ぶか?」

「だいじょうびー」

「夏川には聞いてないぞー」

「先生! 女子の学級委員は?」

「そうだな。ちょっと話が脱線したな。仕方ないな、先生は思ったな。勉強をする事と生きてゆく事は、実は、こう平行線でな」

手を、こうっとか言いながら、動かしている
そして

『生きている事と勉強する事は、似ている。
例え学校の勉強が出来なくても』

先生は、不思議な事を言った
そういう風に感じた


「先生、今回は二人学級委員を選出するというのはどうでしょうか?」

「よっ小林っ」

(さとし)ヒュー」

「うーんアイデアマン小林だな。しかし学級委員が二人というのは前例が無いな」

「先生」

「ん、どした?」

「私、学級委員、辞退します。よって伊原さんを推薦します」

「そうか、じゃあそうだな。では、伊原の信任を取るか。万が一、伊原が不信任だったら今度は小林京子の出番だな」

「はい」

「では信任取るぞー。女子の学級委員、伊原がいいと思う奴…あーだいたい全員だな。では、二学期の女子の学級委員は伊原だな。男子小林と伊原ー前に出るように」

「はい」

「はい」

こうして
いち子は二学期の学級委員を任される事になった
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