猫に生まれ変わったら憧れの上司に飼われることになりました
尚美はそっと顔を出して健一を見上げた。
すると健一とバッチリ視線がぶつかったのだ。

驚いて引っ込もうとしたら右手が伸びてきて、尚美の頭をなでてくれた。

「ついてきてくれたの、知ってたよ。リビングでずっと鳴いて、俺を呼んでくれてたことも」

小声で言われて、つい目の奥がジンッと熱くなる。
自分の声がちゃんと届いていたことがわかって、うれしくて。

「もしかしたら今日から入院することになるかもしれない。だけど、心配しなくていいから」

入院!?
驚いて思わず声を上げてしまいそうになる。

それをグッと我慢して健一の次の言葉を静かに聞く。
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