冬が終わっても春が来ても 君は、
君のこと
「でさ、言ったんだよ?一緒に海に行かない?って」

「でー?」

「いいね!じゃあ誰々ちゃんと誰々くんも誘う!?大勢のほうが楽しいよね!って…俺、ぜんぜん脈無しなのかな」

今日も俺は、君を目の前にして、くちから出まかせを吐く。

いや、今日のは出まかせではない。
高校の親友の、実体験だ。

俺の、ではないからやっぱり嘘は嘘なんだけど、完全に嘘ではないから、まぁセーフだろう。

「そうなんじゃない?」

「えーそんなきっぱりと…」

きっぱりと、俺の架空の好きな人と俺は脈無しだと言い切ったハルちゃん。

本当の、俺の好きな人。
< 14 / 25 >

この作品をシェア

pagetop