冬が終わっても春が来ても 君は、
ハルちゃんとは小学一年生の時に出会って、それから中学卒業まで、ずーっと同じクラスだった。

ハルちゃんが笑えば本当に気持ちのいい春の日みたいな気持ちになれる。

フユくんフユくんっていつも俺のそばにいて、
怒ったり泣いたり、一緒にふざけ合ったりしてさ。

ハルちゃんのことが女の子の中で一番好きだって気づいたのがいつだったかは覚えていない。
それが友達としてじゃなくて恋だってことにすら気づく隙もないくらい、
俺はハルちゃんにいつの間にか恋してた。

告白するチャンスはいくらでもあったのに、
ヘタレな俺だ。

ハルちゃんの笑顔を見るたびに幸せな気持ちになって、
今日こそ俺だけのものになってって告白する決意をするのに、

ハルちゃんの笑顔を見るたびにこの関係が壊れてしまうことが怖くなって言えなくなる。

いつでも言えるって思っていたのにあっという間に卒業式の日が来て、
結局ちゃんと好きだって言えないまま、俺とハルちゃんは遂に離ればなれになった。

九年間ずっと一番近くに居たのに、
ハルちゃんが居た俺の隣が急に空っぽになって、それが失恋だってことは認めたくなかったんだ。
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