でこぼこ
カッコ悪い姿を見せたくなかったから許す事にした。
「じゃあ、仲直りだね。明日からは仲良くね。」
お姉さんはあどけない笑顔で笑った。その笑顔は俺を強くしてくれる気がした。
「陣、明日、サッカーしよう。」
「うん。」
「また、明日な。」
「うん。明日ね。」
俺は久しぶりに笑った。この人のお陰だと思った。
「良かったね。カッコよかったよ。」
小さいけど優しい手で小さかった俺の頭を撫でてくれた。
この人にいつか恩返しがしたい。
「あの、ありがとうございました。」
「強くなったらまた会おう。」
「え?」
「約束!」
そう言っておれに小指を差し出した。俺も小指を重ねて約束した。
あの時とは違って何か重たいもの抱えて背負って生きている気がした。
無理をしていないだろうか。
ちゃんと笑えてるのだろうか。
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