君との恋のエトセトラ
「じゃあ今のをノンストップで流すコンテンツと、ワンポイントごとに細かく刻んだコンテンツに分けて編集しますね。では次の撮影の準備お願いしまーす」

見守っていた社員達が動き出し、凛は梅田に聞いてみる。

「あの、梅田さん。次って?まだ撮影するんですか?」
「そうよ。オフィスメイクだけだとつまらないでしょ?彼とのデートや合コンの勝負メイクを紹介しなくちゃ!さ、立花さん。着替えてきてね」
「は?着替えですか?私、スーツしか持ってないですけど」
「ああ、こちらで用意してあるの。隣の部屋へ行ってね」

若い女性社員が、どうぞ、と別の部屋に案内する。

「こちらのワンピースに着替えてくださいね」
「は、はあ」

言われるがまま、凛は手渡されたワンピースを着てみた。

ラメ入りの黒のVネックワンピースは、シックで大人っぽく、それでいて袖がふわりと軽く、フェミニンな雰囲気もある。

「うん、サイズもピッタリ!アクセサリーはどれがいいかな?」

女性社員は机に広げたイヤリングやネックレスを選んで凛に着けると、
「こんな感じかな。髪は軽くまとめてあるからこのままでいいか」
と頷き、凛を連れてまた先程の部屋に戻った。

「梅田さーん。いかがでしょうか?」

呼ばれて振り返った梅田は、凛を見てにっこりと微笑む。

「いいわねー。じゃあ早速パーティーメイク編、いくわよ」
「あ、はい!」

凛は再びドレッサーの前に座った。
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