君との恋のエトセトラ
最終章 いつまでも息づく想い
結婚から1年が経った頃。
父の月命日の里帰りで、凛と航は長崎の実家に来ていた。

二人は和室で母と杏、そして父に報告をする。

「実は…、赤ちゃんが出来ました」

えっ!と母と杏は目を見開いてから、わあ!と喜びの声を上げる。

「やったー!赤ちゃん!お姉ちゃんと航さんの赤ちゃん!楽しみー」
「良かったわね、凛。ああ、もう涙が出そう」
「出そうって、もう泣いてるじゃない、お母さん」
「そうね、だって嬉しくて…」

杏は涙ぐむ母の背中をさする。

「お母さんもおばあちゃんになるんだね。え、そしたら私はおばちゃん?」
「そうよ。大学生だけどおばちゃんよ」
「えー?でもいいや。おばちゃん、大歓迎よ!」

二人のやり取りに、凛と航は顔を見合わせて微笑む。

「お父さんも見たかったでしょうね、可愛い孫の顔」

母が仏壇に目をやってそう言うと、杏が明るく笑った。

「ちゃんと見てるわよ、空の上でね。それにきっとお姉ちゃんと赤ちゃんを守ってくれる。お姉ちゃん、安心して赤ちゃん産んでね!」
「ありがとう、杏。お母さんも」

最後に凛は、心の中で父に語りかける。

(お父さん、私達を見守っていてね)

まだぺたんこのお腹に手を当てて微笑む凛の肩を、航は優しく抱き寄せた。
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