君との恋のエトセトラ
「うわー、すごいな」

夕食が出来たと凛に声をかけられた航は、ダイニングテーブルに並んだ数々の料理に驚く。

「煮物とか和え物ばかりで見栄えもしないし、お洒落な献立じゃなくてすみません」
「とんでもない。どれも手が込んでて美味しそうだ」
「お口に合えばいいのですけど…」

いただきますと手を合わせて、早速航は箸を進める。

「うん、旨い!」
「ほんとに?良かった」
「和食っていいな。なんだかホッとするよ。身体にも良さそうだし」
「河合さん、普段は外食が多いですか?」
「ああ。クライアントと会食するから、相手に合わせてステーキだったりワインバーだったり、胃もたれする物ばかり食べてる。だから今夜は何よりのご馳走だよ」
「そうなんですね」

凛は心底嬉しそうに笑顔になる。

「じゃあこれからも和食中心で作りますね」
「いや、俺のことは気にしなくていい。平日は帰りも遅いしね」
「そうですか」

残念そうにうつむく凛に、航は少し考えてから口を開く。

「でももし残り物があれば、頂いてもいいかな?冷蔵庫に入れておいてくれると嬉しいよ」
「はい!分かりました」

明るい表情に戻った凛に、航は頬を緩めて頷いた。
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