君との恋のエトセトラ
第十一章 新作発表会
いよいよ当日。

航は、なんとか凛の気が変わる前に!とヒヤヒヤしながらようやくこの日を迎えた。

定時で仕事を終えた凛と会社のエントランスで落ち合い、タクシーでブティックに向かう。

出迎えた女性スタッフにパーティーのイメージを伝え、キョロキョロと所在無げな凛を、行ってらっしゃいと2階のフロアに見送った。

(ふう、やれやれ。ここまで来ればひと安心かな)

まだ会場にも着いていないのに、航は既にぐったりする。

ソファに座ってコーヒーを飲みながら待ち、しばらくするとスタッフに促されてスリーピースのスーツに着替えた。
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