君との恋のエトセトラ
「凛?気がついた?気分はどう?」

朝の7時。
呼吸も落ち着いた凛が目を開けると、航はすぐさま顔を覗き込んだ。

「河合さん?私、どうして…」
「夕べ、飲み会の帰りに熱を出したんだ。タクシーで俺のマンションまで運んだ。覚えてない?」
「ごめんなさい、何も…」
「そうか、いいんだ。木原にも連絡した。もうすぐ迎えに来ると思うよ。熱もだいぶ下がったな。今、水を持ってくるよ」
「あ、いえ。大丈夫です」

航が立ち上がると、凛が慌てたように身体を起こす。
だが次の瞬間、クラッとして顔をしかめた。

「ほら、まだ休んでなきゃ」

航は凛をゆっくりと寝かせる。

待ってて、と言い残してキッチンへ行くと、ミネラルウォーターにストローを刺して戻り、凛に飲ませた。

凛はゴクゴクと一気に半分程飲み干す。

「いい子だ。もうしばらくゆっくり寝てね」

頭を撫でながらそう言うと、凛はか細い声で、河合さん…と呼ぶ。

「ん、何?」
「…ううん。なんでもない」
「そっか」

航はふっと笑みを洩らした。

「ほら、目をつぶって」
「うん」

頷いてから凛は再び眠り始めた。
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