まさか私が告白されるなんて
「お母さんただいま」
家にお母さんがいるのっていいなあ。
そう思う。
前まで一人きりの家に帰ってくるなんて辛い事ばかりだったから。
「おかえりなさい。今日も彼のところに行ってきたの?」
「うん」
私は頷いた。
「……そう。本当にうれしいわ、水菜に友達が出来るなんて」
「それ、何回目なの?」
「何回だっていいじゃない。減るもんじゃないし」
そう言って手で口を抑え、朗らかに笑うお母さん。
「本当に私としたら、水菜が元気で楽しそうであること以上に、嬉しいことはないのだから」
「……ねえ、お母さん」
お母さんに訊きたいことがある。
「お母さんって、お父さんが死んだとき、大変だった?」
あの時のことはあまり覚えていない。
悲しかったことだけだ。
「悲しかったわよ。お母さんのことを何だと思ってるの。でもね、悲しんでるだけじゃいられないの。あの人がいた証、あの人と私の愛の結晶であるあなたを育てていかなきゃならないからね。だから天国のお父さんも喜んでると思うわ。あなたが無事に育ってくれていて」
そう言って笑うお母さんの目。きれいだ。
本当に私を愛してくれている目だ。
「そう言ってくれてありがとう」
私は呟いた。
「それよりも急にどうしたの?」
「急に聞きたくなっただけ」
私は照れを隠すように笑った。
本当に理由なんてないもの。