【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。
第3章

◇縁談



「――では、今日はこちらの花でやってみましょう」

「はい、先生」


 お茶会から数日。今日は、午前中は着付けのお稽古をして着付けをしっかりと覚えてから午後はお花のお稽古の日だ。先生は、花山院流華道の師範をとっている方でとても面白い方で楽しい。

 お花を生けるのはとても好きだ。花は綺麗で可愛いし、自由に生けていいのはとても楽しい。本当に楽しい。


「……先生のは、とても綺麗なのになんでこんなにも違うんだろう」


 自由にできるのはいいんだけど……先生と自分の生花の作品は全く別物だ。同じ花を使っているのに。


「ふふ、ありがとう。でも私も始めた頃はすごくダメダメだったのよ。たくさんの年月を練習に使って、やっと今の形になれたのよ。まだ、千愛さんは一ヶ月ほどなんだしこれからよ」

「……はい、ありがとうございます。がんばります」


 そうして、生け終わると先生のは玄関に飾り私のはこの家にある和室に置くことにしてそれは執事さんたちが運んでくれた。

 お稽古の後は、お茶の時間だ。これが結構楽しみだったりする。
 今日は、紅茶にアップルパイで本当に美味しそう。


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