【中編版】スパダリ煎茶家は、かりそめ令嬢を溺愛包囲して娶りたい。

◇お見合い




「じゃあ、千愛様! 今から気合い入れますからね!」


 それから早いことで一週間経ち、金曜日。
 今日は、お祖母様が整えてくださったお見合い当日で午後十五時だ。

 お見合いの時間まで準備をしなくてはいけないらしく、私は三時間ほど前から手厚いスキンケアをされていた。


「ねぇ、亜美。今日は振袖なんでしょう? 体の隅から隅までしなくても……」

「何を言ってるんですか? 由良乃家のご令嬢なんですよ、千愛様は! 先方様には完璧な姿をお見せしなくてはいけません! それに、道中はいろんな方が見られると思うんです。なのでそのためには必要です」


 そういうものなのかなぁ……

 そんなふうに思うけど、亜美のマッサージはとても気持ちがいいものなので数分前に「必要?」と思った私だったのに堪能してしまった。


 数分後、私は振袖に着替え終わっていた。
 着付けができるようになったとはいえ、流石に振袖は切ることはできなかったので亜美によって振袖を着付けしてもらった。



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