キラキラ王子様系男子の秘密を知ったら実はアブナイオオカミでした?!
感情、情熱
あれから、ありすはめちゃくちゃ私に謝ってきて、「もういいよ」って言うのに必死だった。あんな感じで茶化して笑いかけてたけど、本当に私のことを考えてくれてたみたい。そんなありすが友達としてすごく好きだと思った。

それと、最近、先輩をかっこいいなって思うことが増えた。あの一件から、私が嫉妬するくらい先輩に執着してることに気付いてしまって。なんだか意識するようになっちゃって一緒に過ごす時間がすごく特別に感じるようになった。

「輝、これ、今日の口止め料ね」
優斗が私に袋を渡す。見ると、カップケーキ!可愛い。アイシングの飾りが、お花になっていて細部まで本当に可愛いの集まり。こんなの、どうやって作るんだろう。
「そういえば先輩の料理してる姿、見たことないですね」
「え?あぁ、確かにないかもねぇ。んー、今度家で一緒に作る?」
「え?」
家……?家って言った?先輩の家に、行っていいってこと?
「なんてね、嫌だよね、また今度、学校で」
「行きます」
先輩のこと、知れるチャンスだもん。逃したくない。冗談のつもりで言ったのだが私がそう言ったことで、先輩は驚き目を見開いた。
「え、家だよ?」
「大丈夫ですよ、別に先輩、満月の夜でもないのに手を出したりしないでしょ?」
「……わからないよ」
先輩は私に
「男はみんなオオカミだからね。」
と言う。
「ああ、先輩は本、物の、オオカミでしたね」
「違う、そういうことじゃない」
「わかってますよ」
私は先輩に笑いかける。
「わかってます。先輩が誰にでも手を出したりしないことは」
すると、先輩は目をぱちくりさせる。
「……あ、でも、私と出会うまでは手出してましたね、あーオオカミだ〜こわ〜い」
そう言うと、先輩は
「意地が悪いよ」
と私の頭をぽん、としたのだった。
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