キラキラ王子様系男子の秘密を知ったら実はアブナイオオカミでした?!
月の下の秘密
私の名前は、月川 輝(つきかわ かがや)。私立、ルーンライト高校に入学したばかりの15歳。ずっと憧れていた制服に身を包める幸せ。そのために私は初めて親元を離れて、寮に入ることにした。クラスではもう友達もできて、楽しく日々を送っている。寮の相部屋の海野 ありすともクラスが同じで、仲良くなり毎日のようにイケメンに会った話を聞かされている。
でも、今日はこんな話を聞いた。
この学校には、王子様と呼ばれている三年生の先輩がいて、ファンクラブまであるらしい。私はまだ見た事がないけど、めっちゃかっこいいんだって。……そういうお年頃だから、気にはなるよね。だって、女の子だもんね。

朝起きて、支度をする。焦げ茶色の髪の毛をとかして、いつもつけてるお気に入りの月のヘアピンをつけて、鞄を持った。ありすがばたばたと走ってくる。
「輝、早いよ〜!」
「ありすが寝坊するのが悪いんでしょ〜」

そんなことを言いながら二人で高校へ向かう。高校の敷地内にある寮だから、外へ出るとたくさんの生徒が登校してきていた。イケメンな男子を見つける度に、ありすが「あの人イケメンじゃない?」なんて言うのももう慣れた。はいはい、と済ませて校舎に入る。昇降口前の廊下に人だかりができていた。

「きゃー!王子様、おはようございます」
「こっち向いて〜きゃー!!」

そこには、女の子に囲まれる銀髪の髪に青色の目、神秘的なオーラを放つ男子がいた。あの人が王子様……。たしかにそう言われるだけの存在感だ。
「君たち、一年生の妨げになっているようだよ」
王子様は、私たちを見ると、そう言って立ち去る。
声まで凛としていて……かっこいい。
「待ってください〜!!」
女の子は歩いていく王子様を追いかけてばたばたと去っていく。するとありすが
「さすが王子様、朝からすごいね。あれがファンクラブの子達なのかな」
と言う。
「あんなに人気なんだね…ありす、狙っても無駄だと思うよ」
「え〜、まだわかんないじゃん」
「え?本気?」
ありすは可愛い。黒髪にくりっとした目。クラスでもありすのことを気にしている男子は多い。でもいくら可愛くても、あの集団の中で一番を勝ち取るのは絶対無理だと思う。
「ファンクラブ入っちゃおうかな〜」
なんて言っているありすに、
「さすがイケメン好き…行動力が違うね」
と笑いながら、私たちは教室を目指した。
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