Hush night
「うるもこっちおいで」
当たり前のようにわたし呼んでくれる麗日に感謝しながらも、小さく首を振ってから口を開く。
「お手洗い……借りてもいい?」
この部屋、高層ビルの最上階なだけあって、かなり広い。
どこがどうなっているのか全くわからなくて聞かざるを得なかったのだけれど、麗日は「ずっと左行って3つめの所」と丁寧に教えてくれる。
「どこの部屋も組員が会議したりしてるから、間違って入んないようにな」
確かに、ちょくちょく色んな場所から声が聞こえてくる。
組員さんたちには休みの日あるのかな……と心配しつつも、麗日にお礼を言ってお手洗いへと向かう。
……えっと、まず左に進んで、3つめの個室……。あ、ここか。
ひとまず見つけたことに安堵し、お手洗いを済ます。
誰にもすれ違わなかったことにも安心し、麗日がいるところへ戻ろうとした……のだけれど。