Hush night






「うる、ただいま」

「……おかえり、なさい」


「やべ、帰ったらうるがいる幸せ半端ねえな」



なんてことを言いながら、麗日はわたしの身体を抱きすくめる。

途端に息がしやすくなり、ゆっくりと呼吸を繰り返す。


落ち着く彼の匂いに浸かって、小さくため息をついた。



弾さんとはあれから沈黙が続いた後、もう麗日が帰ってくる頃だからと昼前には彼の部屋に帰された。

弾さんとずっと一緒にいるのも気まずかったからそれで良かったのだけれど、結局麗日が帰ってきたのは昼過ぎの2時半。


かなり孤独感を募らせていたために、ちょっとだけ不機嫌になってしまう。



「……おそかった、」


無意識に漏れた言葉に、麗日はぴくっと反応する。

そしてわたしの首筋に顔を埋め、ぎゅーっと強く強く抱きしめてきた。



「ごめんな。次はもっと早く帰ってくるから」

「……でも、仕事、大変でしょう?」


「いーの。うるを抱きしめるのは俺しか出来ない特権だから」


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