世界で1番泣き虫なキミを愛し続けると誓う
「何がついてたの?」

「……キスマしかねぇだろ」

「…っ!? じゃあ2人もしかしてヤッ​────」

丸聞こえだっつーのに。

2人が小声で一通りボソボソ言い合った後、紅嵐が改めて俺に向き合って尋ねた。

「はっきり聞くけど、お前羽瑠ちゃんのこと好きなんだろ?」

俺は口を噤んだ。

だってそうならないために俺は……

1度緩んだ気持ちに区切りをつけたくて俺は……

ーー別れよう

あぁしたのに……。


ーー私…っ、小熊羽瑠っていうんです!

ーー結星くんの彼女なの!両想いなの!

ーーあの……っ、また!夜電話したりしたいな


脳裏によぎる羽瑠の声に胸が痛んだ。

あいつは俺の姿を捕らえるといつもパァー…って途端に嬉しそうな顔してこっちに走ってくる。

何度も何度も拒絶したのに。

お前なんか知らない、って言ってんのに。

好きだもん、の一点張りで。

どんだけ一途なんだよ。って何度呆れたことか。

ーーあっ!あと!最近のちょっと冷たい感じの結星くんも……っ、なんかかわいい!そういうとこも好き!

ツー、と頬に温かいものが流れた。


‪”‬最近の俺‪”のことなんか…

好きとか言うなよ…………………………。
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