姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
「えっ、そんなことないですよ。なんだか照れちゃいます」

 瑠奈さんがはにかむ。みんな彼女を覚えていたみたいですぐに打ち解けた。会話も弾み、ほっとする。彼女とは本当に仲よくなれそうだ。

「そういえば先ほど、なんのお話をされていたのですか?」

 ふと瑠奈さんが思い出したかのように話を戻した。最初に『雅貴さんのお名前が聞こえたので……』と言っていたから気になったのかもしれない。

「ああ、百花が弱気だから鼓舞していたんですよ」

「雅貴さんに愛されているのか不安みたいで」

「愛されている?」

 わかばたちの返答に、瑠奈さんは不思議そうに首をかしげた。

「瑠奈さんからも言ってあげてください。両家のおじいさまたちが勝手に決めた結婚とはいえ、雅貴さんは百花を大切に想ってくれてるって」

 実結が賛同を求めたら、瑠奈さんは大きな瞳をぱちぱちと瞬かせる。

「えっ……。もともと雅貴さんは、百花さんのお姉さまの許嫁でしたのに?」

「え?」

 実結たちが驚愕の表情で固まった。

 一斉に視線が注がれ、私は言葉を失う。

「もしかして、その件は内緒だったのかしら? 私、余計なことを……」

 瑠奈さんは申し訳なさそうに口もとを押さえた。

「……いえ、別に内緒にしたかったわけじゃないので大丈夫です」

 すぐに瑠奈さんに差し支えはないと伝えた。

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