姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
「行こう、百花」
「待ってください雅貴さん!」
追いすがる瑠奈さんを振り払い、彼はやって来た警備員に「彼女を連れ出してください」と冷酷に告げた。
誰かにここまで徹底的に振る舞う彼を初めて見る。瑠奈さんはそれほどまでに彼の逆鱗に触れたのだ。
一度も瑠奈さんを振り向くことなくエレベーターに乗り込み、部屋に入った。
「どこも怪我はしていない?」
心配そうに顔を覗き込まれる。
「はい……。少し肩をぶつけただけです」
「見せて」
雅貴さんがブラウスのフロントボタンを外そうとしてきた。とっさに彼の手首を掴むも、一瞬のうちに前を開かれてしまう。
ためらうことなく下着の肩ひもをずらされる。彼はただ怪我の確認をしているだけなのに、煌々と明かりの点いた室内で肌を見られるのはどうしようもなく恥ずかしかった。
「少し赤くなってる。痛む?」
「……平気です」
調度品に衝突したときは痛かったけれど、すぐに治まっていた。たいした被害はなにもない。
雅貴さんに背を向けて、ブラウスの乱れを整える。
「ごめん。俺のせいだ」
雅貴さんは責任を感じているようで、私に詫びた。
「雅貴さんのせいじゃ……」
「病院で顔を合わせたとき、喜多村さんの百花に対する態度が普通じゃなかったのにそのままにしてしまった。俺がすぐに遠ざけていたらこんなことにはならなかっただろう」
「待ってください雅貴さん!」
追いすがる瑠奈さんを振り払い、彼はやって来た警備員に「彼女を連れ出してください」と冷酷に告げた。
誰かにここまで徹底的に振る舞う彼を初めて見る。瑠奈さんはそれほどまでに彼の逆鱗に触れたのだ。
一度も瑠奈さんを振り向くことなくエレベーターに乗り込み、部屋に入った。
「どこも怪我はしていない?」
心配そうに顔を覗き込まれる。
「はい……。少し肩をぶつけただけです」
「見せて」
雅貴さんがブラウスのフロントボタンを外そうとしてきた。とっさに彼の手首を掴むも、一瞬のうちに前を開かれてしまう。
ためらうことなく下着の肩ひもをずらされる。彼はただ怪我の確認をしているだけなのに、煌々と明かりの点いた室内で肌を見られるのはどうしようもなく恥ずかしかった。
「少し赤くなってる。痛む?」
「……平気です」
調度品に衝突したときは痛かったけれど、すぐに治まっていた。たいした被害はなにもない。
雅貴さんに背を向けて、ブラウスの乱れを整える。
「ごめん。俺のせいだ」
雅貴さんは責任を感じているようで、私に詫びた。
「雅貴さんのせいじゃ……」
「病院で顔を合わせたとき、喜多村さんの百花に対する態度が普通じゃなかったのにそのままにしてしまった。俺がすぐに遠ざけていたらこんなことにはならなかっただろう」