意地悪で優しいあなたの溺愛

左京side

胡桃が眠ったようだ。

胡桃はホントにかわいい。

顔の造り自体は花梨と似ているけど、性格は正反対。

明るくて活発な花梨に対して、大人しくて、でもとても優しい胡桃。

あの頃だって、花梨のほうが目立っていたのは確かだけど、男子にモテていたのは胡桃だ。

高校に入って胡桃に再会した時は本当に驚いた。

当然だけど、あの頃よりずっと大人っぽくなっていて、スラリと伸びた手足が際立っていた。

いつ他の男にとられるのか気が来じゃない。

胡桃が俺のことを覚えていないとなると尚更だ。

火照った胡桃の頬を撫でる。

柔らかな肌の感触を感じた。

「思い出してよ、胡桃」

小さなつぶやきは保健室に溶けていった。
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