意地悪で優しいあなたの溺愛
「ま、まぁ、とりあえず勉強、しよ?」
花梨の声がかかって、それぞれが勉強道具を取り出しはじめる。
私は苦手な数学をやることにする。
「右京くんめっちゃ頭いいし、教えるの上手いから胡桃もわかんないところあったら聞いてみて」
「そんなことないよ。花梨の飲み込みが早いからだよ」
少し前まで喧嘩していたとは思えないほど仲のいい二人が、正直うらやましい。
私もいつか、左京くんとあんな風に…
っ!なにを考えているのだろう。
左京くんは私のことが嫌いそうだし、まず、私だって左京くんのことを恋愛的に好きなわけじゃない。
……多分。
「ここは、この公式に代入して…」
右京くんが花梨に教える声が聞こえる。
私もこんなことを考えていないで勉強しないと、テストの結果が最悪になってしまう。
ワークに向き合っていても、先ほどの左京くんの言葉がぐるぐる回って上手く集中できない。
しかも、時々わからないところがある。
花梨に教えている右京くんに解き方聞くわけにはいかないし、左京くんに聞けるほど図太くもない。
わからない問題はひたすら飛ばし続け、少しでも早く家に帰りたいと願う。
もう、この空間には居たくない。
勉強し始めてから約1時間。
私の様子に気づいた花梨が声をあげてくれた。
「まだあんまり勉強出来てないけど、今日はここまででいいかな?色々あって疲れちゃったから」
「そうだね。花梨もだいぶ出来るようになったし」
右京くんはほとんど自分の勉強をしていない。
左京くんもワークを開いてはいるものの、あまり進めている様子はなかった。
「ごめんね、ありがとう。胡桃、帰ろう」
「っ、うん。おじゃましました」
私たちは荷物をまとめて家に帰った。
花梨の声がかかって、それぞれが勉強道具を取り出しはじめる。
私は苦手な数学をやることにする。
「右京くんめっちゃ頭いいし、教えるの上手いから胡桃もわかんないところあったら聞いてみて」
「そんなことないよ。花梨の飲み込みが早いからだよ」
少し前まで喧嘩していたとは思えないほど仲のいい二人が、正直うらやましい。
私もいつか、左京くんとあんな風に…
っ!なにを考えているのだろう。
左京くんは私のことが嫌いそうだし、まず、私だって左京くんのことを恋愛的に好きなわけじゃない。
……多分。
「ここは、この公式に代入して…」
右京くんが花梨に教える声が聞こえる。
私もこんなことを考えていないで勉強しないと、テストの結果が最悪になってしまう。
ワークに向き合っていても、先ほどの左京くんの言葉がぐるぐる回って上手く集中できない。
しかも、時々わからないところがある。
花梨に教えている右京くんに解き方聞くわけにはいかないし、左京くんに聞けるほど図太くもない。
わからない問題はひたすら飛ばし続け、少しでも早く家に帰りたいと願う。
もう、この空間には居たくない。
勉強し始めてから約1時間。
私の様子に気づいた花梨が声をあげてくれた。
「まだあんまり勉強出来てないけど、今日はここまででいいかな?色々あって疲れちゃったから」
「そうだね。花梨もだいぶ出来るようになったし」
右京くんはほとんど自分の勉強をしていない。
左京くんもワークを開いてはいるものの、あまり進めている様子はなかった。
「ごめんね、ありがとう。胡桃、帰ろう」
「っ、うん。おじゃましました」
私たちは荷物をまとめて家に帰った。