意地悪で優しいあなたの溺愛
「まぁ、会えばわかるでしょ」



花梨はすでに教室に向かいはじめている。



「ちょっ、待って」



教室に入ると半分以上の人が座っていた。


みんな緊張しているのか、喋ってはいるものの、どこか様子をうかがっているようだ。


私と花梨も自分の席につく。


出席番号順で座るようで私の前に花梨が座った。



「ねぇねぇ、君って胡桃ちゃん?」



後ろから背中をつつかれた。



「そう、だよ」



できるだけ明るい返事を心がける。



「あ、俺、水無瀬右京。ちなみにコッチが双子の弟の左京」



右京くんが指さす先には気怠そうに座る、茶髪の男子がいた。


カラコンを入れているのだろうか、目も少し茶色っぽい。


当然、双子だからだろうが整った鼻筋や小さな顔はそっくりだ。


座っているからかも知れないが、わずかに左京くんのほうが背が高く見える。



「西野胡桃です。…あっ、…私の前に座ってるのが花梨。双子で、私のお姉ちゃん」



水無瀬くんが兄弟も紹介したので、私も花梨を紹介する。



「やっぱり双子だったんだ!なんかクラス分け見たときに気になって名前、覚えちゃったんだよね」


「うん、私も!水無瀬くんたちのこと気になってた!」



男子と普通に会話する、端から見れば当たり前のことかも知れないけど少し前までの私を知っている人が見れば感動ものだ。



「名字だと紛らわしいから名前でいいよ。俺も名前で呼ぶから」


「わかっ…」


「くるみー、何話してんの?」



声をかけてきたのは花梨だ。



「みな…右京くんたちも双子だったよ、」


「えーそうなの?じゃあ、双子同士仲良くしよ~」



花梨は軽い感じで右京くんに話しかける。



「そーだね。よろしくね」



2人とも、意識して会話する私とは全然違うコミュ力の高さを持っていて、圧倒される。
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