シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
「美味しそう」
「はい、どうぞ」

 明人さんはスライスしたばかりの肉の一切れを手でつまんで私に向けた。
「わあ」と手を差し出したら、それを無視されたあげく、いきなり私の口に直接放り込まれた。

「美味しいね?」

 満面の笑みでそんなことを言う彼に向かって、私はもぐもぐしながらただ首を縦に振った。

 料理は他にもたくさんテーブルに並んだ。
 白身魚を焼いてトマトソースで煮込んだスペイン料理や、ナスにひき肉を詰めて焼いたトルコ料理、魚介たっぷりのパエリアとほうれん草のキッシュなど。

 スープはいんげん豆の冷製ポタージュ。淡いグリーンの上にかけられた白いクリームと散らしたパセリがとてもさわやかな一品だ。

 サラダは私が作った。軽く茹でたキャベツに真鯛とサーモンを散らし、ミニトマトとスライスしたレモンで飾り付け。

 私は飲み物を用意しようとワインのボトルを手に取ってみたが、量が少ないことに気がついた。シャンパンはあるのだけど、やっぱりみんなワインが飲みたいだろうし。

「ワイン、買ってきましょうか?」
「大丈夫。持ってくるだろうから」
「え?」

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