《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?
起き上がって縫いぐるみを手に取れば、ふわふわの被毛が指先にどこか懐かしいあたたかみと柔らかな感触を思い出させる。
「ルル、ルル! いるの?! いるなら返事をして……」
祈るように声をかけ、手のひらにすっぽりおさまったうさぎを優しくゆさぶると。「ぷっ」と吹き出すような声がして、エリアーナの手の中のそれがふるふると身体を震わせた。
(エリーったら、いいかげん気付いてよ。もう随分前から《《ここ》》にいたんだよ? あーあ、足がしびれちゃった)
「待って……。だってルルったら……ずっと、ずっと来なかったんだもの……!」
待ちきれないとばかり、うさぎに頬をすり寄せる。
嫌というほどモフられながら、縫いぐるみの《《入れ物》》におさまった守護妖精は少し照れたように頬を染めた(被毛は綿毛のように白いままだったけれど)。
「私を置いて今までどこに行っていたの?! 心配、してたんだから……っ」