《更新中》エリアーナの結婚 ~ 落ちこぼれ地味っ子令嬢は侯爵家令息の愛され妻?!私、お飾りのはずですが…?

 激しい抱擁にいやいやをするも、エリアーナの涙目を見ると、うさぎは察したように静かに微笑んだ。

(ごめん……! ごめんよエリー。何も言わずに留守にして。でもね! ルルたち守護妖精は主人の危険を察知する能力《ちから》があるんだ。エリーの事はちゃんと見守っていたんだよ。本当だよっ)

「見守っていたなんて言うけれど、あなたが来なくなってどんなに不安だったか……ルルに何かあったんじゃないかって……。もう、来ないんじゃないかって」

(そっか……ほんとに、ごめん)


 ——そうだよ。
 ボクは《《落ちこぼれ》》の守護妖精だから。

 
 ルルがエリアーナに提案をした離縁計画だって、失敗したあげくエリアーナは《《危険を伴う罰》》を受けることになった。

 ——ぜんぶこのボクが至らなかったせいだ。

 口には出せない想いを閉じ込めて、うさぎはエリアーナにくたりと身体を寄せる。




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