君のことがずっと好きだった・・・今度こそ君を守る
真実
「大地、(佐久間)慎也、今日は盛り上げてくれて、ありがとうな。明日もよろしく。」
廉はそう言って、帰る準備をする。
団長である廉は最後の戸締りを任されていた。

「俺は電車なんで、先帰るなー。」
佐久間はそう言って帰って行った。

廉と大地は雨の日以外は自転車通学をしている。

「今日は楽しかったなー。」
大地が言う。
大地は廉がやたらキョロキョロしてるなと思う。おそらく咲ちゃんを探してるのだろう。

「咲ちゃん探してんの?さすがに大丈夫だって。前からこの日のことは決まってたし、もし1人が無理ならお父さんとかに迎えに来てもらってるよ。」

「そうだといいんだけどな。咲、今日元気ない気がしたから。」

「そうなのか?まあでも帰ろうぜ、明日も早いんだし。」

「帰るか。」
2人で自転車をとり、正門に向かうと、真由が電話をかけて、立っていた。

「おー、真由ちゃんお疲れ。」
大地が言う。

「お疲れ様です。咲見なかったですか?忘れ物取りに行くって言ったきり帰ってこなくて。電話も繋がらないし。もう15分くらい待ってるんですけど。」

えっと2人は驚き、まさかと思う。

「別れる前どんな様子だった?」
廉が聞く。

「正門から出てしばらくしたら、急に立ち止まっちゃって・・・。そしたら忘れ物したって走って行っちゃったんです。探しに行こうかなと思ったんですが、すれ違っても嫌だなと思って待ってるんです。」

「真由ちゃん、咲どっちの方向に行った?」

「まっすぐ校舎に向かって走っていきました。」

「わかった。ありがとう。」
廉はそう言って、走り出した。

「おい、廉!!」
大地は叫ぶ。

「大地と真由ちゃんは咲から連絡あったら、俺に連絡して。」

「わかった。」
そう言って、大地は廉の走り去る後ろ姿を見た。
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