魅惑の絶対君主
兆し





「鈴木さん、鈴木さん! 昨日面談に来てた人、紹介して〜〜お願いっ!」

「私にもお願いー!」



三者面談の翌日、わたしは教室に到着するなりたくさんの女の子たちに囲まれた。


「紹介するのは難しい」と返事をしても、何度も何度も食い下がられて、もうヘトヘト。


ようやく落ち着いたときには、もう放課後になっていた。




「冬亜ちゃん、ちょっといい?」


誰もいなくなった教室の机でぐったりしていると、部活に行ったはずのレオくんが教室の扉から顔を覗かせた。



そういえば、今日はレオくんと一度も話してなかった。

わたしが一日中女の子に囲まれてたから、身の危険を感じたんだと思う。



「レオくん、部活は?」

「体調悪いって言って抜けてきた」


「え? 大丈夫……?」

「抜けるための嘘だよ。冬亜ちゃんに確かめたいことあって」



真剣な顔でそう言われるので、思わず身構えてしまう。

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