「 悪 」
「あっ、そうだ伽耶乃」
「うん?」
「実はな、最近おばあちゃんの体調が良くなくて、介護施設を嫌がるもんだから少しの間おばあちゃんと暮らそうかなって思ってるんだが……」
「えっ、おばあちゃん大丈夫なの?」
「特に病気ってわけでもないから、安心していいぞ。
父さんが亡くなって、母さんも一人で寂しいんだろうよ。
だからちょっとだけ留守を頼めるか??」
「私の事は気にしないで、おばあちゃんによろしくね」
「戸締まりはしっかりしろよ。
……いいか、恋愛するのは自由だが男を連れ込むなよ。」
「彼氏なんていないし、連れ込まないよ!!」
もう、ほんと伯父さんて心配性なのか、ただデリカシーがないだけなのか分かんないよ。
それにしても……少しの間とはいえ、一人か~。
昨日の事もあるし、気をつけなきゃ。
正直怖いけど、伯父さんに迷惑かけたくないし。
できるだけ一人にならないよう心がけよう。