緒臣くんのキケンな誘惑。




緒臣くんの言葉に周りを見渡すと、たしかに人がちらほらいる。

その言葉から察するに、あまり人前で話す内容ではないのだろう。

そう考えて頷くと、緒臣くんはまた私をからかうように笑ってそんなことを言ってきた。

特別……っ?な、なんで……っ!


「そうやって俺のこと考えてればいいよ」

「へ……っ」


私の反応を楽しむように笑ってそう言った緒臣くんに、ドキドキが加速して身体が熱くなる。

どういう意味で言ってるの……っ、私のことからかいすぎだよ……っ!


「ふっ、可愛いね」

「……っ!?」

「じゃあね紫夕」

「っ、あ、ちょ……っ!」


とんでもない言葉を残して、その場を去っていった緒臣くんについていけずポツンとその場で放心状態になってしまう。

距離感やっぱりおかしい……!
もうっ、心臓に悪いよ緒臣くん……!!




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