緒臣くんのキケンな誘惑。




私達に背を向けていた緒臣くんが急にこっちを振り返って。
それに驚いてビクッとしてしまう。

いや、まさか、見てたのバレたわけじゃないよね……?


音寧がバッと私の方を見たように感じたが、私は緒臣くんから視線が逸らせなかった。

だって……明らかに、顔の角度がこっちを見てる。

うっすらと見える表情は、誰かを探しているようだった。


「……!紫夕の方見た……!」


音寧がそう口を開いた瞬間、パチッと目が合ったような感覚がしてドクンドクンと心音が早くなる。


「……っ!!」


しばらく私をじーっと見つめている様子だった緒臣くん。

すると、私に向かって手を振って笑ってきて。

それにかああっと全身に熱く熱が籠った。

…っ、な、な、なに、これ……っ!!
近い距離にいるわけでもないのに、こんなに心臓がうるさい私に驚いて困惑してしまう。


「やっば〜いニヤける……!」

「う、うう、うるさいよ音寧……!」




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