運命の人、お待ちしています！

「だめだ、和泉を好きになったら負けだからっ」
「何ぶつくさ言ってんだ」
「大丈夫! 私は和泉を好きにはならない! 本性を知ってもね!」
「はぁ? お前ふざけてんのか?」
「和泉、顔が怖いよ!」

今迄に見た事ない鬼のような形相だ。
こんな顔した和泉初めて見た。

「散々クソみたいな男に無様に振られてボロボロになった末、最終的にお前が好きになるのは俺だろうけどな。断言してやるよ」
「中学から今迄好きにならなかったのに?」
「今迄は表の顔しか見せてないからな」
「もしかして和泉は私が好きなの?」
「は、はぁ⁉︎ 何勘違いしてんだよ。バッカじゃねぇの」
「でもさ、さっきからやたら私に好きになって欲しそうだし」
「別に。他の女子みーんな好きな人いようがいまいが俺を前にした女はとろけ顔になんのにお前だけへらへらしてっから腹立つだけだ」

だって私はミーハーじゃないし!
他の女の子と違うもの!

「みんながみんな和泉の顔にときめくと思ったら大間違いだよ! 私の好みのタイプはみんなが引くような男ばかりだし」
「棚橋、山形、三崎、菅原。今挙げた学校の奴ら全員、お前好みだろ?」
「な、な、何で⁉︎」
「全員性格最悪だからな」
「やっぱり和泉の目を貸してくれっ」
「何で俺がお前に力を貸さなきゃならないんだよ」
「神様何様和泉様ーっ!」
「バカにしてんだろっ」

和泉は私のタイプまで見事に言い当てるし。
力を貸して貰えたら安心なのになぁ。

そっかぁ、私は散々和泉をイラつかせてたのか。

こうなった以上、和泉にはもう頼れない。

自分で頑張らないと！