噛んで、DESIRE

ぜんぜん掴めない







「四宮さん〜! こっち手伝いに来て!」

「わ、わかりました……!」



そんなこんなで文化祭準備は順調に進んでいる。

クラスが皆んな協力的で、意見を募って作り上げるフォトスポットはかなり個性が出て良くなってきていて。


文化祭が近付いてきて準備も本格的になり、かなり忙しいけれど、充実した日々を送っていた。


バタバタと教室を行ったり来たりしているわたしに、澪子が苦笑しながら話しかけてくる。


「杏莉、すごい働くね〜」

「うん、がんばってるよ」

「最初はどうなることかと思ったけど……、杏莉が活き活きしてて嬉しいよ、わたしは」

「澪子……。いつもありがとね」


澪子は小さい頃からずっと支えてくれている存在。

かけがえのない親友だし、いつかはちゃんと恩返ししたいと思っている。


……そんなことは照れくさいから本人には言わないけどね。


「なーに言ってんの! わたしは杏莉が大好きだから心配しすぎちゃうけど、正直吾妻のあのひと言はハッとさせられたもん」


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