噛んで、DESIRE
「…………え?」
吾妻くんを泊める? わたしの家に?
さすがにその思考はなくて、ただ唖然とする。
幻聴かと思うけれど、話の流れ的に自分の解釈で合っている、と思う。
「……泊める、って、わたしの家にですか?」
「うん、そう」
「そんな平然と言わないでください……」
わたしは頭がパンクしそうなのに。
だって、こんなキケンな人を家にあげるなんて、あまりにも危ない。
「探そうと思えば泊めてくれる人見つかるけど、今日はそういう気分じゃなかった」
「きぶん……」
「どうしよーかなあって思いながら座り込んでたら、杏莉ちゃんが来た。俺の中では天使に見えた」
「……本当ですか」
疑ってしまう。
だって、吾妻くんのこの軽薄な言葉を信じるなんて、難しい。