噛んで、DESIRE

野良猫みたいなひと







翌日の、月曜日の朝。

いつもどおりスマホのアラームで起きると、昨日そばにあった温もりが、いつのまにかいなくなっていた。


……吾妻くんは?


ゆっくりとベッドから降りて、リビングにいないか探す。

だけど、本当にどこにもいなくて焦っていると、テーブルに書き置きされているメモを見つけた。


“ 叔父さん帰ってきたから戻る。泊めてくれてありがとー ”


……帰っちゃったんだ。

最初は彼が泊まるのも渋っていたけれど、なぜいまは少し寂しいと思ってしまう。


いつもの日常が戻るだけなのに、それがすごく物足りなく感じた。


「……学校行く準備、しなきゃ」


吾妻くんが家にいないと静かだ。

邪魔されることなくスムーズに準備できていることがぜんぜん嬉しくなくて、自分でも気持ちがわからなくなる。




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