好きだなんて、【完】

三年前から痛い雹






「ねえ、しずくちゃんってあの霧沢凪と幼馴染って本当?」



昼下がりの騒がしい教室



お弁当を食べ終えてゆっくりする私のもとに女の子たちのグループが話しかけてきた。



「どうしてそれ…」



「みんな言ってるよ?」



私の名前は、南雲しずく(なぐもしずく)高校2年生になったばかり


黒くて長い髪、かろうじて二重だけど、そんなに大きくない目、平凡な見た目に成績も普通、運動神経も特に良いわけではない。


「しかも南雲つららの妹なんでしょ?凄い!」



「あ、ありがとう」



…すごいのは、私じゃなくて、お姉ちゃんだ。


私のお姉ちゃんは今をときめく大人気女優、南雲つらら(なぐもつらら)23歳


女子高生の時から雑誌のモデルとして活躍していたお姉ちゃんはそのまま女優になって、今では連ドラの主役を飾るほど大人気


スタイル抜群で白い肌、艶やかな茶髪、ぱっちり二重に、高い鼻、誰がなんと言おうと美人


私とは大違い。
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