好きだなんて、【完】
何も知らない雨の中
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レストランの前の木の下、精一杯のオシャレを施してずっと待っていた。
遅いなぁ凪くん。
もう30分も遅れてるよ。
連絡してみたけど既読もつかないし。
やっぱり、私とご飯なんて嫌になっちゃったのかな。
…大いにありえるよね。
ダメだ、泣きそう。
「しずく!」
一瞬、凪くんの声に聞こえたのは私が凪くんのことを待ち過ぎている証拠
凪くんより少し高い滑らかな風季の声だった。
「…風季…なんで、」
目の前には傘を持って、肩を大きく揺らして焦っている風季の姿
急いで来てくれたのかな
「雨降ってんだから、どっか避けろよ」
「あ、降ってたんだ…」
ぼーっとして、全然気づかなかった。