御曹司は高嶺の花に愛を刻む
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急がなきゃ!!

病院の電話からは、驚きすぎて内容もろくに聞かないまま、すぐ行くと言って切ってしまった。

いちおう、電話しましたみたいな事は言ってた気がする。

今思ったら、命に関わる系ではなかったか?
慌てて、シャワーを浴びたけど。

ドレスのままじゃさすがにダメだろ。と思って一度家に戻り、急いで着替えて、またタクシーを捕まえようと、走って大通りまで出た。

すると、ちょうど私の前を物凄いスタイルの良い女性が歩いていて、モデルさんみたいだった。

そして、その女性が、通行人とすれ違う際に少し横にずれた時だった。

「キャッ!!」

運悪く、側溝の隙間にピンヒールがハマってしまって、転んでしまった。

私は慌てて駆け寄った。

「だ、大丈夫ですか!?」

うわっ、物凄い綺麗な人だ!!

美人が痛そうに顔を歪ませている。

足元を見れば、ヒールが挟まってしまった拍子に、見事にポッキリ折れ、スカートから出た膝はストッキングが破れて、少し血が出てしまっていた。
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