私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
病棟にいる、ということは病気を持っているなんてことは分かっていたはずだ。

それでも、私の世界はどれだけ自分中心に回っていたのだろう。

看護師さんが到着し、光輝くんはすぐに運ばれた。

このまま目を醒《さ》まさなかったら、本当にどうしよう。

泣き叫んでも遅いのに。

それでも、願いは届いたのか光輝くんは目を覚ました。

私は何度も何度も謝った。


「ごめんなさいっ!本当にごめんなさい!」


「お前のせいじゃねぇから、玲乃。まず、俺が勝手にお前のそばにいたのが悪い」


「でも、今日は私が……!」

「玲乃が言わなくても、勝手にそばにいたから気にすんな」

本当に安心した。

それから、私は光輝くんとたまに遊ぶようになった。

それでも、彼の病気は私よりずっとずっと重かった。


その思い出から一年後、彼は亡くなった。


分かっている。

あの日の思い出が関係ないかもしれないことは。

それでも、思わずにはいられないのだ。

あの日、私のせいで倒れなければ、彼はもっと長く生きれたんじゃないかって。

あの日倒れたことも彼が亡くなったのに関係しているんじゃないかって。

思えば、思うほど、涙が止まらなかった。
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