私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
それから、私は薬をさらに飲めなくなった。

いや、正しく言えば飲めるのだ。

ちゃんと薬を飲むようになった。

「飲みたくない!」とか「嫌だ!」とか泣き叫ぶこともなくなった。

ただただ飲むのに時間がかかるだけ。

手が震えるだけ。

ただ……




怖いだけ。




その後の入院生活を助けてくれたのは、「一輪の花」だった。

幼い頃の夢から、目を覚ました私は冷や汗をかいていた。



「まだダメだなぁ、私」



この気持ちの弱さは風邪のせいだと思いたかった。
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