私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
「玲乃が頭痛でこのベンチに座っていたあの日、なんで俺がすぐに現れた思う?」

「実は、偶然半年前に玲乃をこの公園で見たんだ。俺もこの公園は、会社までの通り道だから。初めは面影の似ている別人かと思ったが、あの頃と同じように薬を持って震えているので、確信した。その時は頑張って薬を一人で飲み終わっていた所だった」

「それから仕事に行く度に、この公園を目で追うようになってた。だからあの日、すぐに玲乃に気づけたんだ」


亮弥さんが私と目を合わせる。


「玲乃。俺はずっと玲乃に笑って欲しかった。病院で玲乃が初めて笑ってくれたあの日、きっと俺は恋に落ちたんだと思う。そして、絶対にこの子を守りたいって思った」

「大人になって再会しても、玲乃が震えているなら駆けつけたいと思った。だから、君に勇気を出して声をかけたんだ」

「ねぇ、玲乃。大好きだよ。愛してる。絶対に君を一人で泣かせたくない。」

「君が頑張るなら、俺がその後に褒めてあげたい。『よく頑張ったね。偉いよ』って。だから、お願いだ。もう、一人で抱え込まないでくれ」


亮弥さんの目は少しだけ潤んでいた。
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