私は甘すぎる溺愛から逃れる方法を知らない
亮弥だけの思い出
公園に着くと、亮弥さんは私が初めて会った日に座っていたベンチに座る。


「玲乃が薬をさらに苦手になった原因って光輝だろう?」


ヒュッと喉がなったのが分かった。

「あ……」

「大丈夫、無理に思い出さなくてもいい。ただ、俺もあの病院に入院してたんだ。それで、ずっと光輝と仲が良かった」

亮弥さんがゆっくりと話を続ける。


「光輝からずっと薬が苦手な女の子がいることを聞いてた。薬を飲む時、付き合ってやってることも。それで、あの日は起きた。光輝が倒れた次の日、俺は君に文句を言いに言ったんだ。後から、知ったんだ。毎回、光輝の方から付き合ってやってて、あの日が初めて玲乃から頼んだことを」

「それでも、君は言い訳一つせず、ただただ俺に頭を下げ続くた。涙を堪えたまま、手をガタガタと震わせてね。光輝が目覚めた後、俺はもうその出来事を忘れていた。思い出したのは、光輝が亡くなってからだ」

「看護師さんが玲乃がずっと元気がないと話しているのを聞いたんだ。玲乃を見にいくと、誰にも頼らずに手を震わせながら、目に涙を溜めながら、ただ一人で薬を飲んでいた。今、俺がどんな言葉をかけても無駄だと思ったよ」

「だから、玲乃が薬を飲み終わった後、玲乃の病室に一輪だけご褒美に花を置くようになった。花は看護師さんが良いと言う時は、病院の庭園から一輪だけ貰った。そうじゃない時は、母親に買ってきて貰ってた。それでも、そんなことに意味はないことは分かっていたんだ」

「でもある日、薬を飲み終わった玲乃が、花を見て嬉しそうに笑ってくれたんだ。光輝が亡くなってから、笑わなかったのに。涙が出るほどに本当に嬉しかった。その後、玲乃は退院して行き、俺も続いて退院出来た」


亮弥さんが自分の座っているベンチを指さす。
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