気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
(ここまで言われたら、断る理由はないよね)
彼は自分の決断だとはっきり言った。咲良に恋愛感情を持っていなかったとしても、人として好ましく思ってくれたのだろう。
(普通の結婚じゃないけど、私が恋心を忘れたら上手くいく)
今日まで連絡を取り合い、少しずつ距離を縮めてきた。
ホテルに置き去りにされたことは、悲しい記憶だけれど、いつまでも拘っていても仕方がない。
好きな人に望まれて結婚し、抱えている問題も解決するのだ。よく考えたら信じられないくらいに恵まれている。
「私、渡会さんと結婚したいと思います」
颯斗は僅かに目を見開き、それから顔を輝かせた。
「決心してくれてありがとう。後悔はさせないように努力する」
「……私もよい関係になれるように前向きに頑張ります」
「ああ、よろしくな」
「はい」
颯斗の笑顔を見ると、咲良の胸に喜びが広がった。
それからの颯斗の行動は迅速だった。
まずはお互いの両親に結婚報告をした。
颯斗の両親は快く咲良を受け入れてくれたが、咲良の両親はかなり驚愕させてしまった。
颯斗の提案で、友人の紹介で知り合い一年付き合っていたと誤魔化し、ようやく納得してくれた。それまで咲良に恋人がいなかったのが良い方向に働き、照れて秘密にしていたということになっていた。
その後の必要な手続きなどの段取り、新居の手配など、転職準備で余裕がない咲良に変わり全てこなしてくれる。
CEOとして多忙を極めているのに、時間をつくるのが本当にうまい人だと感心した。
婚姻届けを出すより前に同居を開始した。
新居は元々颯斗が住んでいたマンションでは部数が足りない為、新たに契約した。
赤坂のオフィスから近く、エントランスが二重になっているセキュリティ万全な高級マンションだ。
2LDKだが、三十畳のLDKとギャラリースペース、ベッドルームが二部屋と夫婦で住むには広すぎる間取り。
最新の設備にフローリングやクロスなど高品質のもの使われており、冷暖房も完璧。ホテルのスイートルームのような豪華さだ。
咲良が暮らしていた単身用のマンションとはクラスが違い過ぎて、颯斗と自分が属する階級の差をひしひしと感じた。
とは言え生活が始まると慣れるもので、引っ越し当初は恐る恐る使っていたキッチンにも愛着が湧き、一週間もすると自分の家だと実感出来るようになっていた。
彼は自分の決断だとはっきり言った。咲良に恋愛感情を持っていなかったとしても、人として好ましく思ってくれたのだろう。
(普通の結婚じゃないけど、私が恋心を忘れたら上手くいく)
今日まで連絡を取り合い、少しずつ距離を縮めてきた。
ホテルに置き去りにされたことは、悲しい記憶だけれど、いつまでも拘っていても仕方がない。
好きな人に望まれて結婚し、抱えている問題も解決するのだ。よく考えたら信じられないくらいに恵まれている。
「私、渡会さんと結婚したいと思います」
颯斗は僅かに目を見開き、それから顔を輝かせた。
「決心してくれてありがとう。後悔はさせないように努力する」
「……私もよい関係になれるように前向きに頑張ります」
「ああ、よろしくな」
「はい」
颯斗の笑顔を見ると、咲良の胸に喜びが広がった。
それからの颯斗の行動は迅速だった。
まずはお互いの両親に結婚報告をした。
颯斗の両親は快く咲良を受け入れてくれたが、咲良の両親はかなり驚愕させてしまった。
颯斗の提案で、友人の紹介で知り合い一年付き合っていたと誤魔化し、ようやく納得してくれた。それまで咲良に恋人がいなかったのが良い方向に働き、照れて秘密にしていたということになっていた。
その後の必要な手続きなどの段取り、新居の手配など、転職準備で余裕がない咲良に変わり全てこなしてくれる。
CEOとして多忙を極めているのに、時間をつくるのが本当にうまい人だと感心した。
婚姻届けを出すより前に同居を開始した。
新居は元々颯斗が住んでいたマンションでは部数が足りない為、新たに契約した。
赤坂のオフィスから近く、エントランスが二重になっているセキュリティ万全な高級マンションだ。
2LDKだが、三十畳のLDKとギャラリースペース、ベッドルームが二部屋と夫婦で住むには広すぎる間取り。
最新の設備にフローリングやクロスなど高品質のもの使われており、冷暖房も完璧。ホテルのスイートルームのような豪華さだ。
咲良が暮らしていた単身用のマンションとはクラスが違い過ぎて、颯斗と自分が属する階級の差をひしひしと感じた。
とは言え生活が始まると慣れるもので、引っ越し当初は恐る恐る使っていたキッチンにも愛着が湧き、一週間もすると自分の家だと実感出来るようになっていた。