気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
「今更だが我が社に来る決心をしてくれてありがとう」
食事が終わると、改まった様子で、颯斗が切り出した。
「こちらこそ声をかけて下さりありがとうございます。説明会のときの挨拶を聞いて、決断してよかったと思いました。これからよろしくお願いします」
咲良は居住まいを正してぺこりと頭を下げる。敬語はなしと言われたけれど、ここはしっかり御礼を言いたい。
「期待してる」
「はい」
親しみを感じる微笑みを向けられることにまだ慣れない。真面目な話なのにどきっとしてしまい、咲良は目を伏せた。
「この状況で聞くのは卑怯だと分かってるが、結婚の話も前向きに考えてくれていると受け止めていいか?」
「それは……あの、答える前に質問しても?」
質問返しは気分がよくないものだが、颯斗は鷹揚に頷いた。
「構わない」
「急いで結婚しなくちゃいけない理由ってなんですか?」
あれから咲良なりに考えたけれど、確信出来るような考えは浮かばなかった。
「そうだな。詳しい話をしないのは失礼だった。俺が結婚を急いでいるのは、家族の問題を解決する為に必要だからだ」
思ったよりもあっさり教えて貰い、拍子抜けした気分になった。同時に新な疑問が生まれる。
「家族の問題ですか」
「そう。俺には両親と兄がいるんだが、家族が円満に過ごすには俺が結婚している方が都合がいいんだ……」
颯斗はざっくりだが咲良に事情を説明した。
「……そんな事情があったんですね」
(まさかお兄さんのお見合い相手に惚れられちゃうなんて……)
ハイスペックなイケメンには咲良などでは考え付かない苦労があるのだなとしみじみ思う。
それにしても颯斗が渡会リゾートの御曹司だとは驚きだった。
彼の上品な所作も、紹介制の高級料亭の常連なのも育って来た環境によるものだったのかと納得した。
「お兄さんに安心して貰う為にも早く結婚したい……事情は分かりましたけど、本当にそれで結婚してもいいんですか? いつか後悔するんじゃ……」
颯斗がが結婚するのは自分自身の為ではなく、家族円満の為だ。
結婚という一大事を誰かの為にしてもいいのか。ベストではなくベターな選択で後悔しないのか。
「後悔するわけない。結婚相手は俺自身が選んだのだから」
颯斗が迷いのない眼差しを咲良に向ける。ゆるぎない自信が伝わって来るようだった。
食事が終わると、改まった様子で、颯斗が切り出した。
「こちらこそ声をかけて下さりありがとうございます。説明会のときの挨拶を聞いて、決断してよかったと思いました。これからよろしくお願いします」
咲良は居住まいを正してぺこりと頭を下げる。敬語はなしと言われたけれど、ここはしっかり御礼を言いたい。
「期待してる」
「はい」
親しみを感じる微笑みを向けられることにまだ慣れない。真面目な話なのにどきっとしてしまい、咲良は目を伏せた。
「この状況で聞くのは卑怯だと分かってるが、結婚の話も前向きに考えてくれていると受け止めていいか?」
「それは……あの、答える前に質問しても?」
質問返しは気分がよくないものだが、颯斗は鷹揚に頷いた。
「構わない」
「急いで結婚しなくちゃいけない理由ってなんですか?」
あれから咲良なりに考えたけれど、確信出来るような考えは浮かばなかった。
「そうだな。詳しい話をしないのは失礼だった。俺が結婚を急いでいるのは、家族の問題を解決する為に必要だからだ」
思ったよりもあっさり教えて貰い、拍子抜けした気分になった。同時に新な疑問が生まれる。
「家族の問題ですか」
「そう。俺には両親と兄がいるんだが、家族が円満に過ごすには俺が結婚している方が都合がいいんだ……」
颯斗はざっくりだが咲良に事情を説明した。
「……そんな事情があったんですね」
(まさかお兄さんのお見合い相手に惚れられちゃうなんて……)
ハイスペックなイケメンには咲良などでは考え付かない苦労があるのだなとしみじみ思う。
それにしても颯斗が渡会リゾートの御曹司だとは驚きだった。
彼の上品な所作も、紹介制の高級料亭の常連なのも育って来た環境によるものだったのかと納得した。
「お兄さんに安心して貰う為にも早く結婚したい……事情は分かりましたけど、本当にそれで結婚してもいいんですか? いつか後悔するんじゃ……」
颯斗がが結婚するのは自分自身の為ではなく、家族円満の為だ。
結婚という一大事を誰かの為にしてもいいのか。ベストではなくベターな選択で後悔しないのか。
「後悔するわけない。結婚相手は俺自身が選んだのだから」
颯斗が迷いのない眼差しを咲良に向ける。ゆるぎない自信が伝わって来るようだった。