気高き敏腕CEOは薄幸秘書を滾る熱情で愛妻にする
あの頃は勢いのようなものがあったし、失敗しても許される空気を感じていたが、中途採用ともなると話は違う。
社会人経験を積んだ者としての言動がシビアに求められるのだ。受け入れる側の基準も自然と高くなり厳しい目でチェックされる。
しかも颯斗の妻だと知られている訳だから、咲良の失敗は夫に影響するかもしれないと思うと、プレッシャーがすごい。
咲良の発言が終わると拍手が響いた。大きくもなく小さくもないごく普通の拍手音は、他の中途採用者と変わらない。今のところ、いい意味でも悪い意味でも特別扱いされている様子はなくその点はホッとした。
中途採用者六人全員の紹介が終わると、颯斗が一歩前に出た。
「新しいメンバーを加えて、ワタライワークスはより一層前進する。それぞれの力を存分に発揮して欲しい!」
彼の発言には一際大きな反応があった。それだけで彼が社員の尊敬を集めているのが見て取れる。
会社での彼を見るのは初めてだが、咲良も堂々と皆を引っ張る彼に尊敬の気持がこみ上げるのを感じていた。
ワタライワークスに秘書室という部署はなく、咲良が配属されたのはコーポレート部門の総務人事グループだ。
基本的には役員に関する窓口やスケジューリング、事務作業などだが、手が空いた場合は他の仕事も臨機応変にする必要があるとのことで、前職とは勝手が違う。
他の同期は開発部門など別の配属先だった為、新人は咲良ひとりだった。
部門責任者に挨拶を終えると、ひとりの女性が咲良に近付いて来た。
「はじめまして、五葉羽(は)菜(な)です。咲良さんが仕事に慣れるまでフォローするので、困ったことが有ったらなんでも言って下さいね」
感じのよい笑顔の彼女は、とても可愛らしい顔立ちでありながら、咲良よりも十センチは長身で、ほれぼれするスタイルの持ち主だった。
「こちらこそよろしくお願いします」
(あれ? この女性、どこかで見たことがあるような……)
「あっ! もしかして以前に銀座のバーでお会いしたことがありませんでしたか?」
忘れもしない颯斗と初めて関係を持ったあの夜のきっかけになった女性ではないだろうか。
咲良の言葉に彼女はますます笑顔になった。
「覚えていてくれたんですね! あのときはワインをかけてしまってすみませんでした。ちゃんと謝りたいと思ってたので、こうして再会出来て嬉しいです」
社会人経験を積んだ者としての言動がシビアに求められるのだ。受け入れる側の基準も自然と高くなり厳しい目でチェックされる。
しかも颯斗の妻だと知られている訳だから、咲良の失敗は夫に影響するかもしれないと思うと、プレッシャーがすごい。
咲良の発言が終わると拍手が響いた。大きくもなく小さくもないごく普通の拍手音は、他の中途採用者と変わらない。今のところ、いい意味でも悪い意味でも特別扱いされている様子はなくその点はホッとした。
中途採用者六人全員の紹介が終わると、颯斗が一歩前に出た。
「新しいメンバーを加えて、ワタライワークスはより一層前進する。それぞれの力を存分に発揮して欲しい!」
彼の発言には一際大きな反応があった。それだけで彼が社員の尊敬を集めているのが見て取れる。
会社での彼を見るのは初めてだが、咲良も堂々と皆を引っ張る彼に尊敬の気持がこみ上げるのを感じていた。
ワタライワークスに秘書室という部署はなく、咲良が配属されたのはコーポレート部門の総務人事グループだ。
基本的には役員に関する窓口やスケジューリング、事務作業などだが、手が空いた場合は他の仕事も臨機応変にする必要があるとのことで、前職とは勝手が違う。
他の同期は開発部門など別の配属先だった為、新人は咲良ひとりだった。
部門責任者に挨拶を終えると、ひとりの女性が咲良に近付いて来た。
「はじめまして、五葉羽(は)菜(な)です。咲良さんが仕事に慣れるまでフォローするので、困ったことが有ったらなんでも言って下さいね」
感じのよい笑顔の彼女は、とても可愛らしい顔立ちでありながら、咲良よりも十センチは長身で、ほれぼれするスタイルの持ち主だった。
「こちらこそよろしくお願いします」
(あれ? この女性、どこかで見たことがあるような……)
「あっ! もしかして以前に銀座のバーでお会いしたことがありませんでしたか?」
忘れもしない颯斗と初めて関係を持ったあの夜のきっかけになった女性ではないだろうか。
咲良の言葉に彼女はますます笑顔になった。
「覚えていてくれたんですね! あのときはワインをかけてしまってすみませんでした。ちゃんと謝りたいと思ってたので、こうして再会出来て嬉しいです」