恋の病に、堕ちてゆく。
可愛がってあげると言うけれど、何をされるかも分からない。恋人のフリは危険すぎる。


「俺はいつでも大歓迎だから、気が変わったら言ってね。喜んで受け入れるから」

「変わらないと思いますけど」

「残念だな」

青波も私を懐柔させたいと思っているのか、それともただのチャラ男なのか分からない。

でも私のご機嫌をとったところで、青波にメリットはないよね?

考えれば考えるほど、混乱してくる。


とりあえず話を戻さないと。

「あなたにも家族がいるなら、私の気持ちも分かりますよね?早く両親の元に返してください」


お母さん、泣いてるかな。お父さんだって眠れない夜を過ごしているはずだ。

どうか、無事でいて欲しい。
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