恋の病に、堕ちてゆく。
「それでは失礼いたします」

青波が再びお辞儀をし、一瞬だけ目が合うと口元を緩めてくれた。

大我も会釈をしてくれ、四季は盛大に手を振ってくれた。

「じゃぁね、加奈ちゃん」

「気をつけてくださいね、四季さん」

「加奈ちゃんも元気でね」


3人が背を向ける。


四季でさえ、「またね」とは言ってくれなかった。

もう会えないのかな?
連絡先を聞く勇気がなかった自分が恨めしい。

お父さんに研究部屋に入るように促されたけれど、私は3人の姿が見えなくなるまで見送った。
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